スロー「モビリティ」ライフ
スロー「モビリティ」ライフ
「ライフスタイル」や「ライフデザイン」。
最近よく聞く言葉になりました。
私が幼少の頃、京都にはかろうじて市電があり、まちの商店街はどこも賑やかで、
クルマで買い物や用事を足すということはほとんどありませんでした。
その後、京都でもご多分に漏れず、郊外型の大型ショッピングモールの開店や、
都市の空洞化によって、人々の行動は「より便利に、より早く」という、効率を
重視したライフスタイルに変化していきました。
それまで育まれてきたコミュニティや文化は徐々に衰退し、まちからは一軒、
また一軒となじんだお店や場所が姿を消して行っています。
そして、今。
伝統や文化を懸命に守ろうと活躍するみなさん。そこに新しい息吹を投げ、
「京都の良さ」を大切にしながらクリエイティブに挑戦するみなさんがいます。
これが、京都の素晴らしいところであると思います。
それは、クルマで行かなければならないほど、遠くもなければ、大量購入でき
る「場」ではありません。
徒歩や自転車で行動できる範囲に、必ずそれは存在します。
クルマだと見落としてしまう、もしくは、そもそも目的外なのかもしれません。
「交通」という問題は、専門家だけが考え議論する問題ではなく、私たち
「生活する人」に密接に関係し、何を「楽しい」「嬉しい」「美味しい」など
と感じるのは、机上のプランではなく「経験」や「体験」に基づかなければな
らないはずです。
スロー「モビリティ」ライフは、わたしたちのライフスタイルをきっと豊かで
実りの多いものにし、「ライフデザイン」を創造していくものだと考えます。
これから、このコラムでは、実際のまちの様子や変化、モビリティに係わる話
を綴って行きたいと思っています。
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