京都新風館の閉館とベロタクシー
京都烏丸三条の新風館が閉館になります。
「新風館」は2001年に、旧京都中央電話局を利用した複合商業施設として
オープンしました。
中庭にはステージが設置され、中心市街地のパブリックスペースとして貴重な
存在でした。
ステージでは、音楽だけではなく、様々なイベントが開催され、京都の
「マルシェ」の先駆けだったかも知れません。
この新風館を拠点に、2002年日本初のベロタクシーが運行を開始しました。
京都市内を走行するベロタクシー
1997年に所謂「京都議定書」が採択され、ベロタクシーも「環境にやさしい」
乗物として注目されました。
しかし、その存在は、ポップカルチャー、カウンターカルチャーの一つと
感じられ、「移動手段」の一つとして、認められることは困難でした。
2013年から開催している「京都カーフリーデー」にも、ベロタクシーを再認識
して貰うために、会場周辺で試乗会をおこないました。
京都カーフリーデー2013
大変多くのご来場者に試乗していただき、とても好評だったのですが、
アトラクションとしての「楽しさ」は感じていただいたようですが、
「mobility」としての再認識は深く浸透しなかったように思います。
新風館の閉館は、貴重な中心市街地のパブリックスペースを失うことになり、
ここから始まる新しい試みやカルチャーの拠点を、残念ながら失うことに
なってしまいます。
京都の都市空間・公共空間を考える上で、試金石となった新風館に、
惜別の気持ちです。
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