街中のあちこちに駐輪ラック アムステルダム
次の写真は、アムステルダム中央駅前の駐輪場。写真のすぐ右側に赤煉瓦の駅舎がある。ちなみに背後のビルはホテルで、駐輪場ではないので念のため。
×が縦に3つ並んだのはアムステルダムのマーク(なぜかは知らないが)。「アムステルダム ラブ 自転車」ということだろう。このシンボルは市内のあちこちで見かけた。
この駐輪場は2400台収容で料金は無料。10年前にアムステルダムに行ったときには「これは仮のもので、中央駅地下に5000台収容の駐輪場を建設中でそれができたら解体する予定」と聞いたのだが、まだ使われているし、地下の駐輪場も工事は進んでいないようだ。
巨大な駐輪場だが、それでも足りずに周りにも自転車があふれかえり、駅前広場の一部も駐輪場に使われている。駅の周辺には合計で5000台程度の自転車が停まっているらしい。
停められている自転車は古いものが多い。1年間に街中の自転車の3分の1が盗まれると言われるほど盗難が多いので、普段は盗まれてもいいような古い自転車に乗っていて、週末になると別のいい自転車を引っ張り出してきてサイクリングに出かける、それがオランダ流だそうだ。だからオランダでは一人で複数台の自転車を持つのが当たり前で、人口より自転車の数の方が多い。ただし、実は登録されている自転車の台数のうち、かなりの数が運河の底に眠っているといううわさも聞いたが……。
街中のあちこちにも駐輪ラックが置かれている。
しかし、不法駐輪は多い。次の写真は王宮前の広場。すごい自転車の数だ。駐輪ラックはないのできっと不法駐輪だろう。
ポールや木、運河の柵など、どこでも結びつけられるところには鍵で結びつけて停めてしまう。アムステルダムでは走行マナーはいいが駐輪マナーはよくない。
市の交通課の担当者に聞いた話では、トラムなどの交通の妨げになるものや、古くなって乗れなくなったもの以外は撤去はしていないそうだ。自転車は人の役に立っているのだから多少の不法駐輪はしかたがないという考え方だ。
確かに歩行者用のスペースが広く取られているので、不法駐輪はあっても歩きにくいとは思わない。
執筆者
合同会社自転車ライフプロジェクト 代表 藤本芳一
↑ページの一番上へ