オランダと並ぶ自転車先進国、デンマーク コペンハーゲン
旅行に行ったりして、しばらくお休みしていたブログを再開します。
オランダと共に自転車政策の最先進国によく挙げられるのがデンマークだ。
その自転車政策について見ていこう。
デンマークの首都、コペンハーゲンでは既に通勤、通学者の37%が自転車利用しているが、2010年に市はそれをさらに拡大する数値目標を掲げた。
・市内に住む人の少なくとも50%が、通勤、通学に自転車を使うようにする。
・自転車による交通事故の発生件数を現状の半分以下にする。
・少なくとも 80%の自転車利用者が、自転車が安全、安心な乗り物であると感じるようにする。
そのための、第一の手段が自転車レーンの整備である。
次の写真は、コペンハーゲンの観光案内所で配布されているサイクリングマップの、市の中心部を拡大したものだ。
ピンクの道が自転車レーンが整備されている所。幹線道路にはほぼすべて確保されていることがわかる。
また、オレンジの道は自転車優先道路で、特に何か施設があるわけではないが、この道では車は自転車の通行を妨げてはならない。
実際の道を見ていこう。
コペンハーゲンの自転車レーンの特徴は非常に広いことだ。クリスチャニアバイクやニホラ(ヨーロッパの子ども乗せ自転車参照)など、幅の広い自転車が追い越せるだけの幅が確保してある。また、デンマークでは自転車が2台並んで走ることが認められており、並んでおしゃべりしながら走り、さらにそれを別の自転車が追い越せるだけの幅が確保されているらしい。
さらに、レーンが必ず道の左右両側に確保されており、当然逆走は禁止されている。幅の広さと必ず左右にあるという安心感のため、コペンハーゲンはオランダよりもさらに自転車で走りやすいと感じた。
また、近年、自転車レーンと車道との間に障害物や段差を設けると、レーンを走る自転車が車から見えにくくなったり、分離されているという安心感から車から自転車に対しての注意がおろそかになり、交差点で自転車が車道に出てきたときにかえって事故になりやすいと言われるようになってきた。しかし、車道との間に全く障害物がないと自転車ユーザーの車に対する恐怖感が増すという調査もあり、コペンハーゲンでは自転車レーンと車道の間には少し段差を設け、事故が起こりやすい交差点近辺では段差や障害物を設けないようにしているそうだ。
次の写真の道は、この一部の区間だけ一般自動車の通行が禁止されている。この前後の区間は車も走れるのだが、一部だけ禁止することで通過車両を無くすことができる。
ここでは、車の右折レーンと自転車レーンを共用している。
バス停がある所では、自転車レーンはそれを迂回し、バス停に行く歩行者のために横断歩道が設けられている。
自転車の左折レーンもある。
通勤時間帯は信号待ちの自転車がずらりと並ぶ。
次回もコペンハーゲンの自転車レーン、自転車道について見ていく。
執筆者
合同会社自転車ライフプロジェクト 代表 藤本芳一
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