コペンハーゲンのシティバイクを借りてみた
コペンハーゲンにはシティバイクと呼ばれる無料のレンタサイクルがある。
始まったのは1996年。市内中心部には数百mおきに貸出ポートがあり、ポートのある所ならどこでも乗り捨て可、という今流行のパリのヴェリブなどコミュニティサイクルの先駆けになったシステムだ。
以前は先進事例として日本でもよく紹介されていたのだが、いろいろ問題があってヴェリブなど新しいシステムが出てきた今では旧世代のシステムになってしまっている。
問題というのは、人の善意に頼ったシステムのため自転車がちゃんとポートに返却されず、ポート以外の場所に乗り捨てられている事がよくある。そのため肝心のポートには自転車がないことが多い。また、故障しても修理されずほったらかしにされている事も多い。といったことだ。ヨーロッパでは美しい街並みを維持していこうという公共心が高い、とはよく言われるが、実は公共物を大事に使おうという感覚はあまりなく、非常に手荒に扱われるらしい。
そんな状態なのでシティバイクはあまり信用されておらず、実際に街を走っているのを見ることも少ないし、あまり使われていないようだ。
しかし、ポートに停まっているのはよく見かけるため、試しにどんなものか借りてみた。
ヴェリブと同じく広告パネルと一体になったポート
ハンドルには利用できる範囲の地図が取り付けられている。利用範囲は市内中心部のみ。外に持ち出すと罰金を取られるとのことだが、実際にはチェック不可能だろう。
地図の下にあるボックスに20クローネ(約350円)コインを入れるとポートと鎖でつながれた鍵が外れる。ポートに返却するとコインは戻ってくる。
自転車の作りはシンプル。ブレーキがコースターブレーキ(ペダルを逆回転させると停まる)なので慣れないと乗りにくい。
乗ってみると、あまり質のいい自転車ではなく、重たいし、ガチャガチャして日本の安物のママチャリに乗っているような感覚だった。
執筆者
合同会社自転車ライフプロジェクト 代表 藤本芳一
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